さまざまな事情で愛車が壊れてしまったら、修理をして乗り続けるのか、これを機に買い換えるのかは考えどころです。特に、事故に遭って大きく損傷してしまった場合や、自走できない場合でも売れるのか、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいえば、壊れた車でも売れますが、故障の度合いによって売却の方法が変わる点に注意が必要です。
そこで、この記事ではまず「壊れた車」の定義を説明し、故障の度合いに合わせた買取業者の選び方やおすすめの買取業者、壊れた車を売る際の注意点を紹介します。
目次
壊れた車は状態によって売る業者が変わる
冒頭でも述べたように、車は壊れていても売ることができます。買い取った車を修理して中古車として販売したり、車として販売できなくても使えるパーツのみ販売したりと、壊れた車にもさまざまな需要があるためです。
しかし、どんな買取業者でもいいわけではありません。重要なのは、車の状態を見極め、適切な買取業者を選ぶことです。業者選びを間違えると、価格が付いたはずの車が無償または相場を大きく下回る価格の査定がついてしまう可能性があります。
壊れた車は「事故車」か「故障車」に分類される
壊れた車は、「事故車」か「故障車」に分類されます。業者選びの前に、まずは自分の車がどちらの「壊れた車」に該当するかを把握しましょう。
1.「事故車」は事故で壊れてしまった車のこと
「事故車」は、交通事故などで車の骨格部分にダメージを受け、修復したことのある車を指します。
事故車は「修復歴車」とも呼ばれ、販売時にその旨を記載することが義務づけられていますが、単純に交通事故に遭っただけでは「事故車」にならないのがポイントです。
具体的には、以下の部分に修復歴のある車が事故車とみなされます。
- フレーム
- フロントクロスメンバー
- フロントインサイドパネル
- ダッシュパネル
- ルーフパネル
- ルームフロアパネル
- トランクフロアパネル
- ピラー
- ラジエターコアサポート
つまり、たとえ事故などで損傷した車であっても、損傷・修復箇所がこの骨格部分以外であれば、「事故車」には当たらないということです。
ただし、傷の大きさや度合いによっては修復歴とみなされず、査定にも影響しない場合もあるため、可能であれば骨格部分は修理をしておくことをおすすめします。
2.「故障車」はエンジンなどが壊れている車のこと
故障車は、損傷の箇所や程度によって買取の可否が決まります。
たとえば、エンジンやエアコン、外装など、骨格部分以外の箇所に損傷がある車は「故障車」に分類されます。一方で、骨格部分に修復歴がなければ、仮に自走できない状態であったとしても「故障車」には当たりません。
故障車の買取については、次の項目で詳しく紹介します。
壊れた車の種類別・買取業者の選び方
以上が、壊れた車の分類方法です。ここからは、壊れた車をどんな買取業者で売るべきかを理由も添えて詳しく説明します。
1.事故車の場合:廃車専門の買取業者へ
車の要となる骨格部分に修復歴がある事故車は、それだけで査定額がかなり下がります。
事故車であるということは、車の基礎的なパーツが一度損傷したことがあるということでもあり、乗っているうちに不具合が生じてくる可能性があるためです。
そうしたリスクを抱えている事故車は需要も少なく、査定額も低くなります。また、損傷が激しく、車として売り出せないと見なされると、価格が付かないこともあります。
そのため、事故車は廃車買取専門業者に買取を依頼しましょう。
特に、自社の販売ルートを持っている業者や自社の解体工場がある業者を選ぶと高価買取につながります。おすすめの廃車買取専門業者は記事の後半で紹介していますので、参考にしてください。
2.故障車の場合:故障の度合いによって判断
故障車は、故障の度合いによって中古車として売却できるのか、廃車にするのかが決まり、それに伴って買取業者の選び方も変わります。
エンジンがかかるなら中古車買取専門店に売却
エンジンがかかって少しでも自走できる、または自走できなくてもエンジンがかかるのであれば、中古車として売却が可能です。この場合は、一般の中古車買取専門店で買取を依頼しましょう。具体的には、以下のような箇所が故障している車が該当します。
- エアコンの故障
- タイヤのパンク
- バッテリー上がり
- 外装部分のキズやへこみ
中古車買取専門店に買取を依頼できる故障車は、「故障箇所を交換・修理をすればそのまま車として使えて、走行にも支障が無い車」です。ただし、事前に故障箇所を修理する必要はありません。その理由については、この記事の後半で詳しく説明します。
エンジンがかからないなら廃車専門の買取業者へ
エンジンがかからず自走できない状態の故障車は、中古車として買取を依頼することは難しいため廃車を検討します。
具体的には、以下のような車が該当します。
- エンジンがかからない
- フレーム部分に損傷がある
- 水没車
廃車買取専門業者に買取に出す判断基準としては、「部品の交換や修理では対応できず、走行に支障のある故障がある車」です。
このような車は中古車として販売することが難しく、中古車買取専門店では買取を拒否される場合もあるため、迷わず廃車買取専門業者に依頼しましょう。
3.ディーラーでの下取りもできるが注意が必要
その車を購入したディーラーに下取りの依頼もできますが、実はディーラーでの下取りはあまりおすすめできません。理由は、「下取り」と「買取」の意味合いの違いにあります。
「下取り」=新しい車の購入を前提に、それまで乗っていた車を買取ってもらうこと
つまり、ディーラーの下取りはあくまで新車の購入と引き換えに車を引き取ってくれるだけなので、下取りの価格は高くなりにくいのです。
特に事故車の場合は、価格が付かず下取りをしてもらえないことも珍しくありません。そのため、事故車や故障車の買取を検討しているなら、それぞれの専門業者に依頼するといいでしょう。
4.おすすめの事故車・廃車・故障車買取業者
では、実際に事故車や故障車を売る際は、どんな業者に依頼すれば良いのでしょうか。ここでは、おすすめの廃車買取業者・故障車買取業者を紹介します。
廃車買取業者のおすすめ3選
まずは、廃車買取業者のなかでも特におすすめの業者を紹介します。一見するとどの業者も大差ないように見えるかもしれませんが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
買取を依頼する廃車買取業者を選ぶときは、1社だけで即決せず慎重に比較して決定しましょう。
廃車王
出典:廃車王
廃車王は、経済産業大臣の認可を受けている「NGP日本自動車リサイクル事業協同組合」組合員です。
全国に150店舗を展開しているため、廃車にしたいときにすぐに対応してもらえます。また、LINEで査定や買取依頼をすることができ、買取の手続きを手軽に済ませたい方にぴったりの廃車買取専門業者となっています。
注意点としては、積載車が入れない場所にある車を廃車にする場合はレッカー費を別途請求される場合や、買取自体を断られる場合もあることです。
それさえ気をつけておけば、初心者でも利用しやすい業者なので、廃車にする際はまずチェックしてみてはいかがでしょうか。
事故車買取のタウ
出典:事故車買取のタウ
事故車買取のタウは、その名の通り事故車の買取を専門としている業者で、水没車や火災車などあらゆる状態の車を買取ってくれます。
年間8万台の買取実績から算出できるオンライン査定サービスや、還付金シミュレーター、水害車売却シミュレーターといったユニークなサービスも実施しています。
また、「スタッフが親切で、対応も丁寧」「引き取りまでが迅速」と、利用者からの評価が高いのも特徴です。
ただし、どんな状態の車でも買取ってくれますが、必ずしも高価買取してもらえる訳ではありません。他の業者との比較もしながら、利用を検討しましょう。
カーネクスト
出典:カーネクスト
カーネクストは、どんな車も原則0円以上で買取ってくれる廃車買取専門業者です。
乗用車のみならず商用車やディーゼル車なども買取ってもらうことができ、他の業者では依頼できないような車も引き取ってくれます。さらに、レッカー費用が全国どこでも無料、書類の代行も無料と、サービス面でも頼れる存在です。
査定依頼後の対応は非常にスピーディーですが、その分、連絡がかなり頻繁に来るという口コミも見られます。どの業者でも値段が付かなかった車を短期間で車を処分したいという場合は、声をかけてみましょう。
故障車買取業者のおすすめ4選
故障車買取は、通常の中古車買取とは違い故障の具合が査定に大きく影響します。
そのため、故障車買取を専門にしている業者や、故障車買取をしている業者も含めて見積もり依頼ができる一括査定サイトを利用すると、効率よく買取の手続きを進められるでしょう。
ここでは、故障車買取の際に検討したい業者を厳選して紹介します。
リプロワールド
出典:リプロワールド
「リプロワールド」は、日本最大のオークション会社と提携している中古車買取業者です。
一般の中古車だけではなく、事故車や故障車、廃車も買取をしてくれるのが強みです。
24時間365日いつでも利用できる査定フォームには、車の年式や走行距離などの基本的な情報に加えて車の写真も添付可能で、故障箇所を一度に伝えられるため、早く正確に査定をしてもらうことができます。
また、事故車・故障車のどちらでも買取ってもらえるので、車が壊れたらまずは一度相談してみると良いでしょう。
一方で、オークション相場を基準に査定額を算出しているため、他の買取業者よりもやや安価な査定額を提示される場合があります。
とにかく高額で買取をして欲しい!という方は、複数の業者で見積もりを取った上での利用が必須です。
車選びドットコムの事故車買取
「車選びドットコムの事故車買取」は、事故車・不動車の買取に特化した一括査定サイトです。
通常の中古車買取時に利用する一括査定サイトと同様に、事故車/不動車について複数の業者から見積もりを取ることができます。
読み物や資料もかなり充実しており、事故車・廃車の処分手続きの際に便利な都道府県別ガイドや、最新の買取相場の掲載など、ユーザーに寄り添ったサービスの数々も見逃せません。
一方で、自走できる故障車は査定の対象外と定められているので、車の状態を把握してからの利用が必要です。
また、受付時間も「平日9時30分~18時30分」となっており、査定を依頼するタイミング次第では、査定価格がわかるまでやや時間がかかることも想定されます。
カーセンサー
出典:カーセンサー
カーセンサーは、株式会社リクルートが運営する一括査定サイトです。
一括査定サイトでは最多の1,000社が提携業者として登録しており、一度の査定依頼で最大30社から見積もりを取ることができます。登録業者が多いということは、競争も多く、高価買取にも期待が持てます。
また、申し込みフォームには事故歴と車の状態を記入する箇所があるため、一般の中古車買取業者だけではなく、故障車の買取を得意とする業者から見積もりを取れるのもポイントとして挙げられます。
デメリットは、一度に多くの業者に査定を依頼できる分、かかってくる電話の数も多くなります。
昼夜を問わず大量の業者から電話がかかってきて、対応するのも一苦労…というユーザーの声も聞かれます。
査定申込時にメールアドレスを記入してそちらに連絡してもらうよう頼むこともできるので、うまく活用して効率よく買取価格の比較をしましょう。
ユーカーパック
出典:ユーカーパック
ユーカーパックは、査定の申し込み後に付近の実店舗で査定を受け、買取価格を提示してもらえるサイトです。
事故車や故障車は、目に見えない部分に損傷が生じている場合もあるため、インターネット査定では正確な金額が把握しづらい面があります。その分、実際に査定を受けてから買取価格を知れるユーカーパックは、納得のいく売却をしたい人にぴったりです。
しかし、事故車や故障車の買取に強いわけではないため、エンジンのかからない不動車や、極端に状態の悪い車は査定自体を断られる場合もあります。まずは車の状態を正確に伝え、査定の可否を確認してから利用すると良いでしょう。
壊れた車を売るときに注意すること
事故車や故障車を売る際に利用したい業者を紹介してきました。
壊れた車を売る際には、業者選び以外にも注意点がいくつかあり、中には対応できていないと金銭トラブルにつながる事項もあります。
ここでは壊れた車を売る際の注意点を3つ紹介しますので、業者選びが終わったら、じっくりと読み込んでください。
1.必要書類をそろえておく
壊れた車を売る際も、通常の中古車買取と同様に、さまざまな書類を用意しなくてはなりません。個人名義の車を売る場合は、主に以下の書類が必要です。
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車損害賠償保険証明書(自賠責保険証)
- リサイクル券
- 自動車税納税証明書
- 印鑑登録証明書(軽自動車の場合は住民票)
壊れた車を売る際だけ必要になるような特別な書類はなく、通常の中古車買取と同じ書類を用意すれば問題ありません。もし、必要書類を紛失してしまっていたら、早めに行動して必要書類をそろえておきましょう。
車を売る際の必要書類や、紛失時の対応については、こちらの記事でも詳しく説明しています。
2.故障した部分の修理はしなくて大丈夫
車を売る際に、軽微な故障であれば修理した方が査定額アップにつながるのでは?と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、結論からいえば、故障している部分を修理する必要はありません。
ほとんどの中古車買取専門業者は、自身の修理工場を持っているか、提携している修理業者があり、軽微な故障は安価で修理できてしまいます。
個人が修理業者に依頼して故障箇所を修理してもらうと費用がかかりますし、たとえ修理してもらったとしても、買取時にプラス査定になる額はそれほど高くありませんので、結果として修理をしても損をしてしまうこともあるのです。
そのため、廃車にしなくても済む程度の故障であれば、修理はせずそのまま買取に出しましょう。もし故障箇所が大きく、修理が困難である場合や、修理費用が高額になる場合は、廃車買取専門業者の利用も検討すると良いでしょう。
3.自分で把握している故障箇所は必ず申告する
壊れた車を売る際に最も重要になるのが、把握している事故歴や修復歴、故障箇所を事前に申告することです。
もし査定時に申告しなかった場合は、査定額が減額されることや、再査定となることがあります。また、車の売却後に故障箇所が発覚した場合は、売却金の返還請求や、売買契約の解除などにも発展する可能性があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、必ず正直に申告しましょう。
まとめ
車は、壊れていても売ることができ、車の状態にあわせて適切な業者を選ぶことで、納得のいく価格で買取ってもらえる可能性が高くなります。そのためにも、壊れた車の現状をよく把握し、慎重に業者選びを進めましょう。
また、壊れた車を売るとき、修復歴や故障箇所はしっかりと申告することがとても重要です。この記事を読んでくださった方の壊れた車が、トラブル無く売却できることを願います。
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