車は私たちの生活になくてはならない存在ですが、手放す時に「どう売るのか」について、軽視している方は多いです。その背景には『中古車だしそんなに高く売れないだろう・・』というある種の決めつけがあると思いますが、決してそんなことはありません。
ただ一点「どこに売るのか」にこだわるだけで大きく売却額が変わってくるので、この記事の中で「車の売却先3パターン」について徹底的に解説をしていきます。
- 手持ちの車を少しでも高く売却したい
- ディーラー以外の選択肢が知りたい
- 各売却先のメリット・デメリットを知りたい
このようなことを考えている方は必見の内容となっているので、最後まで目を通していただければ幸いです。
車の売り先で悩む人は非常に多い
冒頭でもお伝えしたように、車の売り先で悩まれる方は非常に多いです。一昔前までは「ディーラー持ち込みで下取りしてもらう」というのが鉄板パターンでしたが、今では中古専門買取業者の台頭、さらには個人売買の普及により、色々な選択肢が存在していますからね。
したがって、以前よりも中古車を手放すことの価値が高まったと考えることが可能です。
中古車人気の高まりで売却額がアップ
中古車を売却することの価値が高まっている背景には、「中古車人気の高まり」が間違いなく存在しています。従来までの中古車は「とにかく安さだけにこだわりたい」という人が購入していた印象がありましたが、現在はそうではありません。
まず車そのものの進化により、購入から時間が経過したとしても、新車と同様の使用感を実現している中古車が幅広く存在しています。『新車を買うのがバカバカしい』という声が聞こえてくることも珍しいことではなく、企業側が良い車を作れば作るほど、良質な中古車が増えていって結果新車が売れなくなっていくのは皮肉ですよね・・。
また、人々の中古車を購入することの意識の変化も見逃せないポイントで、新車にこだわる方はめっきり数を減らしてきているのも中古車人気に拍車をかけています。
「出来るだけ高く売りたい」という人が急増!
そして、モノの値段は「需要と供給」で成り立っているのは太古の昔からの取り決めですから、中古車を求める人が多くなれば、当然中古車の価値も高まっていきますよね。
だからこそ、『自分の車を出来るだけ高く手放したい!』という人間が増えてきて、それに伴って今までディーラー買取だけだと思われていた売却の選択肢が、専門の買取業者や個人売買にまで広がってきているのが一連の流れ。
中にはメルカリなどネットフリマで車を売却・購入する方もいらっしゃるので、皆さんが思っている以上に中古車市場が盛り上がりを見せているんです!
どうせ売るなら賢く車を手放そう
さて、まずは中古車の価値が高まっているからこそ、売却先にこだわるべきだという点を強調させていただきました。どうせ車を売るなら、賢く車を手放すべきではないでしょうか?
そしてこの賢く手放すという中には、
- 出来るだけ高い価格で売る
- 出来るだけ簡単に売る
- 出来るだけ信頼できる相手に売る
こういった、それぞれの人間が車の売却に抱いているニーズが隠れているはずです。というわけで次の章では、「車をどこに売るのか」という観点から、売却先である3つのパターンについて徹底的に解説をしています。
自分にピッタリな車の売却先を探したいという方は、ぜひ目を通してみてくださいね。
車はどこで売るのが正解?3つのパターンを徹底比較
というわけで、この章では「車はどこで売るのが正解?」というテーマで、以下の3つの売却先のメリット・デメリットについて徹底的に解説をしていきます。
- ディーラー下取り
- 業者買取
- 個人売買
この3つの順番で扱っていきますから、気になる部分に目を通していきましょう。
ディーラー下取り
まずはディーラーへの下取りからですが、従来までの車の買取といえばこのディーラーが最初の選択肢でした。ディーラーが多くの人に選ばれている理由としては、
- 車の件でお世話になっているから
- 新車を購入するから
- 信頼できる相手だから
このようなものがあるでしょうか?車の売却は手続き面など面倒な部分もありますから、信頼できる相手に任せておけるのはやっぱりいいですよね。
それでは、ディーラー買取のメリットとデメリットについて、それぞれ確認していきましょう。
ディーラー買取のメリット
まずはメリットからですが、以下の点がディーラー買取のメリットだと言えます。
- 手軽に車を手放せる
- 煩雑な手続きを全て一任できる。
- 信頼できる相手に任せられる
- 馴染みのディーラーなら信頼を置いた状態で買取をしてもらえる。
- 新車購入とセットで済ませられる
- 下取り扱いなので手間がかからない。
それぞれのメリットについて、詳しく確認していきましょう。
手軽に車を手放せる
まずは「手軽に車を手放せる」というメリットから見ていきますが、この点は素直にディーラー買取の強みだと考えてもらって構いません。
というのも、車というのは私たちが思っている以上に、面倒な手続きが必要なモノなんですよね。車を購入する際のハンコの数の多さがそれを物語っていますが、特に公的機関への手続きの煩雑さは決して無視できないポイントです。
仮に後述する「個人売買」を行う場合、各種書類を自前で用意しなければいけならず、「メルカリで日用品を売る」というようなテンションで売買できるようなモノではありませんので、ディーラーを利用する方が多いということを覚えておきましょう。
信頼できる相手に任せられる
車種や状態、年数にもよりますが、車は基本的に1万円札が数枚ではおさまらない価値を持つモノですから、「売る相手」という観点である程度慎重になる必要がありますよね。
仮に後述する個人売買において、厄介な相手に掴まってしまった日には目も当てられません。細かいクレームを入れられて返金を求められたり・・なんて、こんなこと面倒で考えたくもないですよね。
しかし、ディーラー買取ならばこんなことは絶対に発生しないことは明らかです。確かに他の売却先よりも多少金額は安めにはなってしまうものの、それでも「絶対大丈夫」という安心感を持って取引ができる点を、何にも勝るメリットだと認識している方も多いでしょう。
新車購入とセットで済ませられる
「新車購入とセットで済ませられる」という点を重く見て、ディーラー買取にて売却をする方も多くいらっしゃります。
基本的に車の売却は面倒を伴う作業です。仮に買取業者を利用するにしても、ネット上で複数見積もりを取ったり、最寄りの買取店舗に足を運んだり・・、意外と骨が折れます。
個人売買にもなると骨が折れるどころではなく、ただただ大変な作業だけが待っているにも関わらず、結果的にディーラー査定額に多少色をつけた程度にしかならないことも普通にありますから、まさに「骨折り損のくたびれもうけ」という表現が適切でしょう。
『だったら新車購入とセットで下取りに出した方がいいよね』というように感じられる方は、素直にディーラーによる下取りを利用して、出来る限り最小限の作業量で車を手放す選択肢も悪くないかもしれません。
ディーラー買取のデメリット
では続いて、ディーラー買取のデメリットについても確認していきましょう。基本的には以下の点をデメリットとして感じている方が多いです。
- 査定額が安い
- 中古車買取業者・個人売買に比べて圧倒的に買取額が安い。
- 現金でもらえない
- 新車購入の下取りになるので、現金化できない。
- メーカーの縛りがある
- 他社ディーラーに持ち込むと査定額が低くなりがち。
それぞれのデメリットについて、順番に確認していきましょう。
査定額が安い
まずは「査定額が安い」という致命的な欠点について解説をしていきますが、やはり『どうせ売るなら、少しでも高い方が良い』と思われる方は非常に多いです・・、というよりも、人間なら誰しもがこう思うはずです。
だからこそ、ディーラー買取を選択しない一番の理由として、この「査定額が安い」というものがあがってきます。
ではどうしてディーラー買取の査定額が安くなりがちなのかについてですが、以下のような背景があることを覚えておきましょう。
- 下取り車を再販しない
- 再販できるディーラーは少数で、多くはオークションに出す。中間マージンが増える分、査定額も安くなる。
- 新車の値引き額に限度がある
- どれだけ高い査定額がついても、値引き額の限度より高い価格で下取りができない。
いずれもあまり知られていない事実ですが、よく考えれば当然のことです。下取りをした車は中古車ですから、当然新車としてまた売りに出すわけにはいきません。なのでこれをオークションに出すことで、そこの差額を利益として受け取るわけですが、この利益を最大化するためにも下取り額に反映させなければならないのです。
また、下取りとは結局のところ「新車の値引き」ですから、どれだけ下取りをした車に価値がついていたとしても、新車の値引き額の限度に引っかかると、それ以上の査定を望むことができなくなります。仮に『この新車を(下取り込みで)〜円で買えた』というイメージがついてしまうと、新車のブランドイメージに大きく傷がつくので、メーカーは新車の値引額を予め設定しているのです。
と、このような理由があって、ディーラーでの査定額は基本的に安くなりがち。したがって、少しでもお持ちの車を高く買い取って欲しいなら、異なる選択肢を選ぶべきだと言えます。
現金でもらえない
ディーラーでの下取りの場合、「新車購入額から割引」という形でお金を受け取ることになるので、現金としてもらえない点もデメリットの一つとして数えることができます。
車は1万円札が紙束になる程の価値を持つことも珍しくないですが、これを現金として受け取れるか否かは非常に重要ですからね。車を現金化したいという方は、ディーラー下取りは絶対NGです。
メーカーの縛りがある
ディーラー買取の最後のデメリットが、「メーカーの縛りがある」という点になります。例えば、
『トヨタの新車が欲しいから、ホンダの車をトヨタのディーラーの下取りに出す』
このようなことになると、当然査定額に大きく響いてきてしまいます。仮に売却先が中古車買取業者ならば、メーカーなど関係なく、一貫した査定基準にて金額を決定してもらえるので、面倒な縛りを無視したい方は、素直に中古車買取業者を利用することが望ましいでしょう。
業者買取
では続いて、業者を利用した買取について見ていきましょう。「業者」というと漠然としていますが、この業者には、
- 中古車買取業者
- 廃車・不動車買取業者
この2つが存在しています。前者の中古車買取業者については皆さんご存知だと思いますが、「廃車・不動車買取業者」というのも存在しており、車としての価値を持っていなかったり、全く動かない車だったりと、このようなものを買い取ってくれる業者のことです。
これらの業者を利用する買取のメリットとデメリットについて、詳しく確認していきましょう。
業者買取のメリット
まずは業者買取のメリットについて確認していきましょう。
- ディーラー下取りよりも高額
- 買取から販売を一任するので、余計な中間マージンが発生しない。結果、査定額に響いてくる。
- 個人売買よりもお手軽
- 煩雑な手続きなしで車を手放せる。
- 現金化できる
- 現金として返ってくるので、流動性が高い。
- 一括査定ができる
- ものの数分で複数業者による査定が可能。結果、査定額も高額に。
それぞれのメリットについて、順番に見ていきましょう。
ディーラー下取りよりも高額
業者買取のメリットとしてまずあげられるのが、ディーラー下取りよりも査定が高額になりやすいという点です。
これはディーラーの部分で説明した通りですが、ディーラー下取りは基本的に色々な制約がついて回ります。まずディーラー自身が下取り車を再販できないので、どこかに「横流し」することになるのですが、この際に生じるマージンの分が本来所有者に回ってくるはずの利益なんですよね。
一方で、中古車買取業者では、買い取った車を自社で再販するケースが多いので、余分なマージンが出ないのです。その結果、査定額も当然アップ!ユーザーからしても嬉しいポイントですよね。
個人売買よりもお手軽
皆さん気になるのが「中古車買取業者に売却する際のかかる手間」だと思いますが、こちらに関してはディーラー下取りと比べると確かに煩雑ではあるものの、一方で個人売買よりも圧倒的に手間がかからない点が特徴的です。
中古車買取業者を利用する際にしなければいけないことは、
- 売却業者の決定
- 各種書類の提出
この2つですが、どちらもディーラー下取りでは不要なものであることは事実。しかし、どちらも「非常に面倒」というわけではなく、売却業者は後述の一括査定でどうとでもなりますし、各種書類の提出に関しても基本的には車内にある、車検証などとセットになっているものです。
したがって、「手軽にそこそこの金額」を得られるのが中古車買取業者の利用メリットですから、コスパに優れた売却先だと言えるでしょう。
現金化できる
ディーラーの部分でもお話ししましたが、現金化できるかできないかは非常に重要ですよね。現金化できれば色々なものにお金を使うことができますが、下取りの場合はそうではないので、柔軟性という意味で大きいです。
また、やっぱり人間は現金が好きなんですね。「下取りで〜円得をした」よりも、「現金で〜円もらった」という方が、やっぱり全然嬉しいですから。
というわけで、お持ちの車を現金化したいなら、中古車買取業者の利用がおすすめです。
一括査定ができる
中古車買取業者の4つ目のメリットが、「一括査定ができる」という点であり、この点は非常に大きいです。
というのも、従来の中古車買取業者の欠点が「比較に手間がかかる」という点だったから。私たちが中古車買取業者に求めるものは、「ディーラーよりも高値で売る」というものだと思いますが、従来はこれを実現するために、自分の足で中古車買取業者を行脚する必要がありました。
しかし、現在はネットでパパッと各業者の査定が可能ですから、致命的なデメリットを克服した売却先、それが中古車買取業者であるというわけです。したがって、中古車買取を利用する上で守るべきルールはただ1つだけ、それは「一番高いところに売る」ということ。
非常に魅力的な選択肢になるので、「手軽にそこそこの査定額を」というニーズがある方は、ぜひ中古車買取業者を利用してみてくださいね!
業者買取のデメリット
続いて業者買取のデメリットについて見ていきますが、ハッキリ言ってほとんどありません。先述の通り、従来までの業者買取は「比較検討が面倒」という致命的なデメリットを抱えていたのですが、ネット上で一括査定ができる今、そんなものは気にする必要がないのです。
唯一、「ハズレの業者を引かない」ことがデメリットとしてあげられますが、ネット上でランキング化されている記事を参考にすれば、そうした選択肢を未然に候補から外すことができるので、こちらもデメリットと言えるほどではありません。
結論としては、「万人におすすめできる」のが買取業者の利用なので、ぜひ試してみてください!
個人売買
最後に解説するのが個人売買による車の売却についてですが、こちらはメリット・デメリットがかなりハッキリしているものになるので、万人におすすめできるものではありません。
それでは、メリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
個人売買のメリット
まずは個人売買のメリットから確認していきますが、「高値で売れる」という非常に分かりやすいメリットだけを持っているのが個人売買であると思ってもらえればそれでOK。
そして高値で売れやすい理由ですが、それはもちろん中間マージンを0にできるから。正確にはヤフオクやメルカリなど、利用するサービスの手数料分が中間マージンに該当しますが、それでもディーラーや業者に取られる分よりは圧倒的に少ないです。
世の中のほとんどは中間マージンにより成り立っていますから、これを省けるという意味でシンプルに個人売買は強いですよね。
では個人売買によりどの程度の高値で売れるのかについてですが、「中古車買取よりも高く売れる」という表現が最も適切かなと思います。逆に買い手側は「中古車販売よりも安く買える」ので、売り手と買い手、それぞれが「Win-Win」になれるのが個人売買の強みだと言えるでしょう。
個人売買のデメリット
一方で、個人売買におけるデメリットについても見ていきましょう。
- 当事者間のトラブルに発展しやすい
- 手間がかかる
- かかる手間の割に、それほど高い金額にならないこともある
これらのそれぞれのデメリットを確認していきましょう。
当事者間のトラブルに発展しやすい
まず「当事者間のトラブルに発展しやすい」という点ですが、こちらを致命的なデメリットとして感じられる方もいらっしゃると思います。
というのも、基本的に車の購入は、買い手側にとってかなり大きなイベントです。当然近所のスーパーでの買い物と同じテンションではありませんから、真剣味が違いますよね。そんな中で、ほんの些細なトラブルが生じただけで、一気に火が燃え広がる恐れも当然考慮しなければいけません。
考慮すべき具体的なトラブルは、以下の通りになります。
・売り手側のトラブル
- 買い手側がお金を振り込んでくれない
- 信用できそうな相手かどうか、交渉段階で見極める。
- どんな書類を揃えればいいか分からない
- しっかり事前に調べる。面倒なら、買取業者を利用しよう。
- 購入後に買い手側から「話が違う」などと言われる
- 開示できる情報は事前に全て開示する。正当な取引である証拠を揃えておく。
・買い手側のトラブル
- 入金したのに納車に関する連絡がない
- 事前に信用できそうな相手としか取引をしない。各種機関の力を借りる。
- 購入した車の状態が事前の説明と違った
- 些細なことでも良いので事前に必ず質問をする。そこに気が付けなかったら、購入者側の責任でもある。
- 各種書類に不備や欠落がある
- 買い手側に必要書類に関する質問も事前にしておく。
そして大事なのは、「トラブルになる可能性がある」というリスクであり、これらのリスクはディーラー下取り、あるいは買取業者の利用で0に抑えることができます。だからこそ、「危ない橋を渡る必要がない」という観点から見ると、ほとんどの方はディーラーや業者の利用をすることになるのです。
手間がかかる
中古車の個人売買は、シンプルに手間がかかります。ここで一つ、個人売買における売り手側のフローチャートについて確認していきましょう。
- 出品する
- 取引を行う
- 契約の成立
- 入金を確認する
- 車の引き渡し
- 各種保険の名義変更
- 任意保険の解約・変更
ご覧のように、当然ではあるものの、出品から保険の解約までの流れを、全て自分一人で担当しなければいけませんし、契約書などの書類も自前で用意する必要があります。
逆に言えば、ここにかかる手間を相殺し、さらにそれを上回るリターンとして得られるのかが、個人売買で車を手放すのか否かの1つのラインになってくるでしょう。
いずれにせよ、個人売買は他の選択肢よりも高い値段で売れることに疑いはありません。走行距離・年式問わず、相場よりも数割高く売れることが一般的ですから、個人売買のイロハについて解説した以下の記事も、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ
というわけで、この記事では「車をどこに売るのか」という観点でお話をしてきましたが、いかがでしたか?それぞれの選択肢でメリット・デメリットがハッキリしていますから、自分に合った方法を選択してみてくださいね。
売却先を意識するだけで、査定額からかかる手間まで大きく変わってきますので、最初から一つに絞り込まずに、柔軟に考えて車を手放してみましょう。
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