ディーラーによる下取りの価格が車買取店より安い? 実際の価格を4車種で徹底検証!

ディーラーによる下取りの価格は、車買取店による買取の価格よりも安くなるといわれます。車を売る前にこうした情報を見聞きした方、あるいは実際に下取りを依頼してみて「安い」と感じた方もいるでしょう。

下取りの価格は、多くのケースで買取の価格よりも安くなるものです。しかし、例外的に高級車では下取りの方が高くなるケースもあります。

こうした例外も含め、「下取りと買取で実際にどの程度の価格差が出るのか」を検証していきます。

「下取りに出すか買取に出すか迷っている」「どのくらいの価格差が出るのか見てから決めたい」という方には、きっと参考にしていただけるでしょう。

ディーラーによる下取り価格が安いといわれる3つの理由

車

ディーラーによる下取りの価格が、車買取店による買取の価格より安くなる理由は主に3つあります。ここでは、その3つの理由について解説します。

あくまで「新車購入の値引き」のため

ディーラーの下取りの価格は、あくまで「新車購入時の値引き」という行為です。つまり、サービスの一環であり本業ではないため、ほとんど力を入れていません。「力を入れていないから査定が甘くなる」ことはなく、次の段落で述べるとおり、査定価格は総じて安くなります。

査定のノウハウがないため

ディーラーのスタッフは、中古車の査定をメイン業務にしているわけではありません。そのため、査定をメイン業務にしている車買取店のスタッフと比較すると、査定のノウハウに乏しいのが実情です。

ノウハウが乏しければ正確な査定ができません。自分の査定に自信を持てないため「とりあえず、安めに下取りする」という選択になります。

再販ルートがないため

中古車を高く売るには再販ルートが必要です。車買取店は特に海外市場で多数の再販ルートを持っています。日本ではほとんど価値がない車でも、海外では高値での売却が可能です。たとえば、年式の古い車(低年式車)や、走行距離の長い車(過走行車)であっても、日本車というだけで高く売れるケースが多くあります。

車買取店はこのような再販ルートを持っていますが、ディーラーはこうしたルートを持っていません。自社系列の中古車販売店で売るか、国内のオートオークションに流すといった、限定的なルートしかありません。高く売るルートを持たない以上、高値での買取も難しいわけです。

ディーラーの下取りが車買取店より有利な点

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下取りの価格は安くなりがちですが、買取より有利になる部分もあります。ここでは、下取りが買取よりも有利になる点を3つ解説します。

新車への乗り換え手続きが簡単になる

車買取店に今の車を売る場合、車を売る手続き、新車をディーラーで買う手続きの2つをする必要があります。手続きが2回必要になるわけです。

ディーラーの下取りの場合は1回で済みます。購入手続きのなかで、下取りの手続きもまとめて行ってもらえるためです。このため「とにかく手続きを楽にしたい」という人には、ディーラーの下取りが向いています。

悪徳業者が少ない

ディーラーとメーカーの契約形態はさまざまです。しかし、どのディーラーであっても「トヨタの顔」や「日産の顔」になることは間違いありません。そのため、悪徳業者に分類されるほど問題のあるディーラーは少ないといえます。

中古車の買取業者については、ごくわずかに悪徳業者が存在しています。原因の1つは車買取店を開業するハードルが低いことです。古物商許可の「中古自動車商」の免許を取得し、店頭に下のようなプレートを掲げれば開業できます。

古物商

古本など他の分野と比較すると、中古自動車商の審査はやや厳し目です。しかし、正規ディーラーとしての営業許可を得ることと比較すれば、ハードルは相当に低くなります。このように開業のハードルが低い買取業者と違い、開業のハードルが高いディーラーでは、悪質な業者が自然に少なくなります。

ディーラーによっては査定価格が高くなることもある

店舗や担当者、車種などの諸条件によって、ディーラーの下取りの方が高い価格になるケースもあります。主に、ディーラー側が新車を売りたいと強く思っている状況で見られるケースです。

ディーラーが新車を強く売りたいと思うケースとしては「販売台数を伸ばしたい」「高価な車である」などが特に多く見られます。たとえば、店舗や担当者がノルマ達成を迫られている状況では、かなりのサービスをしてでも新車を売ろうとするケースが少なくありません。

高級車なら下取りの方が高いこともある(LS500hの実例)

高級車の場合「多少サービスをしてでも売りたい」と考えるディーラーが多く存在します。「高めに下取りしても十分に利益が出る」「経済力のある顧客を確保できる」などの理由からです。実際に、下取りの方が高値になる可能性がある例を紹介します。

下取り

 

上の表は、レクサスのLS500hの下取り参考価格です。年式が2018年でIパッケージの場合、参考価格が698万円と算出されています。そして、同じ条件(2018年式・Iパッケージ)の車が、中古車市場において799万円で販売されています。

レクサス

 

中古車の買取価格は一般的に販売価格の6~9割とされています。仮にこの割合だったと仮定すると、上の画像の車は479万円~719万円で買い取られたと推測できます。

わかりやすくするために「479万円~719万円」の中間値である599万円で、下取り参考価格と比較してみましょう。比較の結果は、下の表のとおりです。

ディーラーの下取り 698万円
中古車買取 599万円

見てのとおり「ディーラーの下取りの方が99万円高い」という結果になりました。あくまで目安ではあるものの、ディーラーの下取りの方が高い価格になるケースもあることが、この検証からわかります。参考までにレクサス・LS500hの新車価格を示すと、下の画像のとおり1,142万円です。

LS500h

 

このように「新車で1,000万円を超えるような高級車」であれば、買取よりも下取りの方が高くなるなる場合もあります。

【車種別実例】ディーラーの下取り価格と買取店の相場を比較

実際に下取りの価格と買取の価格がどれだけ違うのか、車種別に検証してみましょう。3車種のデータをまとめると、下表のようになりました(データは2020年11月中旬時点のもの)。

メーカー・車種 下取り参考価格 目安買取価格
トヨタ・プリウス 97万円 84万円~126万円
レクサス・CT200h 167万円 159万円~234万円
日産・ノート 22万円 60万円~90万円

目安買取価格は中古車の販売価格の6割~9割が買取価格だったと想定して算出しています。下取り参考価格は、メーカーの下取りシミュレーションから算出したものです。以下、3車種での検証結果をまとめていきます。

トヨタ・プリウスPHV

プリウスPHVで年式が2015年の場合、下取り参考価格は97万円です(下図)。

下取り

 

同じモデルの中古車は、139.8万円で売られています(下図)。わかりやすく140万円と考えましょう。

プリウス

 

140万円に「6割~9割」という数字を当てはめると、84万円~126万円という金額です。中間値をとると105万円で、下取り価格より8万円高いという結果になりました。

8万円という金額だけ見ると、小さく感じるかもしれません。しかし、ここでの下取り・買取の価格はどちらも「100万円前後」です。つまり、8万円は約8%に該当します。「査定価格が8%高くなる」と考えたら、小さな差ではないといえるでしょう。

レクサス・CT200h

レクサスのCT200hは、年式が2015年でバージョンCの場合、下取り参考価格が151万円です(下図)。

下取り

 

同じ車が、中古車では265万円で売られています(下図)。プリウスと同様に買取価格を推定すると、中間値は197万円です。

レクサス

 

中間値で買い取られたとすると、下取りの151万円より46万円高かったことになります。ディーラーは新車を売るために、下取りのシミュレーション価格を高めに出しているはずです。その点も考慮すると、レクサスCT200hを上記の条件で売る場合、買取の方が高くなると考えていいでしょう。

日産・ノート

日産・ノートの「X DIG-S・2015年式」の下取り参考価格は22万円です(下図)。

ノート

 

このシミュレーションはトヨタのサイトで行っているため、価格が低めに出ている可能性があります。トヨタのサイトを用いている理由は、日産のサイトでは写真を送らなければシミュレーションをできないためです。

上記の理由から22万円より高くなる可能性もありますが、ひとまず22万円で検証を進めます。同じ車が、中古車では99.8万円で売られています(下図)。

ノート

 

キリよく100万円と考えると、買取価格は60万円~90万円だったと推測できます。最も安い60万円だったとしても、下取り価格(22万円)の3倍に近い金額です。

トヨタやレクサスでの検証と比べて差がありすぎるため、この数値をそのまま鵜呑みにするわけにはいきません。しかし、ノートでもやはり「下取りの価格は安くなる可能性が高い」といえます。

ディーラーの下取りと車買取店、どっちがオススメ?

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下取りと買取を比較する際「結局、自分にはどっちがオススメなのか」という結論を知りたい方も多いでしょう。ここでは、下取りと買取のそれぞれが「どのような方にオススメか」をまとめます。

ディーラーの下取りがオススメな人

ディーラーの下取りが向いている人は、「高く売るより、買い替えの手続きを楽にする方が重要」という人です。価格面では明らかに買取が有利であるため、下取りを選ぶとすれば「価格以外の理由」です。

また、記事中で紹介したレクサス・LS500hのような高級車であれば、下取りに出す方が高値を提示される可能性があるため、オススメできます。

車買取店がオススメな人

車買取が向いている人の条件は、「車を高く売りたい」という人です。高級車などの例外を除けば、基本的に買取の方が高額での査定を期待できます。

新車に買い替える場合、買取では「今の車を売る手続き」と「新車を買う手続き」を別々にする必要があります。「その程度なら苦にならない」という人には、買取がオススメです。また、買い替えでも「中古車に買い替える」という場合は下取りを利用できないため、買取一択です。

【一覧表】ディーラーの下取りと車買取の違い

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ディーラーの下取りと買取の良し悪しを4つの項目で比較すると、下表のようになります。

項目 下取り 買取
査定価格 ⭐⭐⭐ ⭐⭐⭐⭐⭐
安心感 ⭐⭐⭐⭐⭐ ⭐⭐⭐⭐
手間(売却のみ) ⭐⭐⭐⭐⭐
手間(乗り換え) ⭐⭐⭐⭐⭐ ⭐⭐⭐

査定価格については、ここまで説明したとおり、買取の方が高くなります。安心感については、ディーラーの方が大きいといえます。

手間については「売却のみ」であれば、下取りを依頼できません。逆に、新車への乗り換えであれば、ディーラーの方が負担を小さくできます。

こうして比較すると、総合的には買取の方が優れているといえるでしょう。

まとめ

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高く売ることを優先するなら、下取りより買取を選ぶべきです。ディーラーで新車を買う場合であっても、今の車を高く売れるのは車買取店の方だといえます。

「本当にそうなのか」を確認するためにも、やはり車買取店の査定は複数受ける必要があります。複数の査定を受けた上でディーラーにも下取りの査定を依頼し、双方を比較するのがいいでしょう。

複数の買取業者による査定を受けるには一括査定サイトを使うのがオススメです。どのサイトも完全無料で利用でき、1分~数分程度の簡単な情報入力で最大6社などの見積もりをとれます。

一括査定サイトには、カーセンサーズバットなど、便利なものが多数あります。車の買い替えをより有利に運ぶため、これらのサービスをぜひお気軽に試してください。

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