「外車の買取価格は安い」という情報はしばしば見聞きするものです。これから外車を売ろうとしている方は、「本当に安いのか」「どんな車が安くなるのか」などの点が気になるでしょう。
また、外車を買おうとしている方も「売るときにどのくらいの金額で売れるのか」というリセールバリューが気になるかと思います。こういった疑問に答えるため、30車種で実際の相場を検証し、外車の買取価格は本当に安いのか、車種別に大体いくらの相場になるのかを解説します。
これから外車を売ろうとしている方や買おうか検討している方にも、役立つ内容となるでしょう。
目次
外車の買取価格は安い?国産車と比較してみた
外車の買取価格が安いというのは「新車価格からの下落率が大きい」という意味です。たとえば、3年落ちの車で実例を調査すると、BMW 318iとトヨタ・アルファードで新車価格からの下落率に2倍以上の差があります。どのような計算によって、この数字が出たのかを解説していきます。
BMW 3シリーズは3年落ちで51%に
BMWで特に人気のある3シリーズセダン。「BMW 318i」のモデルの最新バージョン(20年11月時点)は、下の画像のとおり489万円(税込)です。
そして、この車が3年落ち(2017年式)で、下の画像のように248万円(税込)となっています。3年間で241万円の価格差が生じたわけです。
パーセンテージでいえば3年間で51%まで下落しています。これは販売の価値なので、買取時点ではさらに低かったと考えられます。
アルファードは3年落ちで78%に
続いて国産車のアルファードを見てみましょう。「HYBRID SR・Cパッケージ」の7人乗りの場合、新車は下の画像のように565万円(税込)となっています。
これと同じモデルで、BMWと同様に3年落ちの中古車を探します。下の画像のとおり、408万円(税込)のものが見つかりました。
実は、この車は直近で価格が下がっています。このデータを調べたのは20年11月9日ですが、7日までは下のグラフのとおり440万円だったのです。
買取価格の参考になるのは、当然「中古車で出回ってすぐの時点での販売価格」です。年式が違ったならともかく、同じ年度(2日前)まで440万円であったため、この車は「3年落ちで440万円になった」と考えるべきといえます。
そう考えると新車で565万円の車が、3年落ちで440万円になったわけです。パーセンテージでいえば3年で78%まで下落しています。
3年落ちのBMWとアルファードは、下落率が2倍以上違う
先ほどのBMWと価格の変化を比較してみましょう。ピンクの「下落率」は、先にも説明したものです。
車種 | 新車価格 | 中古車価格 | 差額 | 下落率 |
---|---|---|---|---|
BMW 318i | 489万円(税込) | 248万円(税込) | 241万円 | 49% |
トヨタ アルファード | 565万円(税込) | 440万円(税込) | 125万円 | 22% |
下落率が2倍以上違うため、アルファードはBMW(318i)と比較して、中古車での価値が2倍以上あるわけです。
これは中古車での「販売価格」で、販売価格と買取価格は基本的に相関関係にあります。そのため、金額が変わるだけで、この比率は査定でもおおむね反映されると考えていいわけです。
もちろん、外車や国産車といってもメーカーや車種による違いは当然あります。しかし、アルファードとBMW 318iというメジャーな車種での比較結果は、一定以上の価値をもつデータといえるでしょう。
外車の買取価格が安くなる3つの原因
外車の買取価格が国産車より「なぜ安くなるのか」という原因を知りたい方も多いでしょう。ここでは、その原因を3つ解説します。
外車オーナーは新車・新型モデルを好むため
外車オーナーは、機能性よりもステータス性を重視して車を選ぶことが多いもの。そのため、同じ外車のなかでも新車や新型モデルを好むことが多いのです。
こうした傾向により、外車は国産車よりも中古車の価値が低く評価されてしまいます。このため、買取価格も安くなりやすいのです。
外車のパーツ交換費用が高額であるため
中古車は新車よりも、パーツを交換する機会が多くあります。そして、外車のパーツ交換費用は国産車よりも高額です。
このため、中古の外車に乗ることは「高くつく」と一般のドライバーから評価されています。この点でも中古の価値が下がりやすく、買取価格も低くなりやすいのです。
外車は日本車よりも寿命が短いとされるため
外車の寿命は、一般的に日本車よりも短いとされています。これは下記にあるガリバーの「中古車保証サービス」の期間を見ての通り、保証の最長期間に2倍の差があります。
国産車は最長10年、輸入車は最長5年まで保証しております
中古車保証サービスの保証項目と対象車条件 | ガリバー
ガリバーをはじめとする大手の中古車売買の業者には、車の寿命に関するデータが特に多く集まっています。そのような企業が定めた基準であるため、上記のデータは少なくとも日本国内で運転する場合、外車の寿命は日本車より短いと考えていいでしょう。
外車買取の相場を調べる3つの方法
自身が持っている外車の相場がどの程度なのか、業者に査定を申し込む前に把握したいという方も多いでしょう。ここでは、外車の買取相場を調べる3つの方法を解説します。
中古の外車の販売価格を調べる
現時点で販売されている中古外国車の価格を調べることで、おおよその買取価格を計算できます。一般に、中古車の買取価格は販売価格の6~9割程度とされているためです。
たとえば、中古車での販売価格が100万円の外車であれば、60~90万円で買い取られた可能性が高いわけです。あくまで大雑把な目安ではありますが、現時点で売られている中古の外車価格にこの割合を当てはめれば、おおよその買取価格を推定できます。
多数の業者で査定を受ける
多数の業者で査定を受けると「実際に自分の車がいくらで売れるのか」がわかります。特に、実際に車両を見る実車査定まで受ければ、正確な価格を把握できます。
実車査定を行い、業者が最終の見積もりとして出した価格は「その業者に売るなら確実にその値段で売れる」という金額です。この金額を突き合わせれば、自分の車の「現時点での完全な市場価格」がわかります。
価格の変動要因を理解して相場を補正する
外車でも国産車でも、中古車には「価格の変動要因」が多数あります。年式や走行距離、純正オプションの有無などといった要因です。これらの要因がどのようにプラス、あるいはマイナスになるかを理解すれば、相場の「補正」ができます。
現時点で販売されている中古車と、自分の中古車の条件を比較し「この条件の車が100万円なら、自分の車は120万円だろう」というように計算するわけです。こうした補正を加えることで、販売価格だけを見るよりもさらに正確な予測をしやすくなります。
外車の買取価格を高くする4つの方法
外車の買取価格は国産車よりは安くなりがちですが「できるだけ高く売る方法」は多くあります。ここでは、なかでも実践しやすいコツを紹介します。
一括査定を利用する
どの分野でも、業者との交渉を有利に運ぶためには相見積もりが有効です。外車の売却で相見積もりを最も簡単にとれる方法として、一括査定があります。
一括査定のサービスは多く存在しており、上の画像のカーセンサーなどが特に人気です。一括査定はほぼすべてのサイトが無料で、情報の入力も簡単に終わります。まずは相場をチェックすることも兼ねて、1つのサイトを利用してみるといいでしょう。
外車専門の買取店に売る
中古車の買取店の中には「外車専門」をコンセプトとする店舗や企業も多数存在します。それらの買取店であれば、一般の買取店よりも外車を高く買い取ってもらえる可能性があります。
「外車専門だから必ず査定価格が高くなる」とは限りません。しかし、通常の買取業者とタイプが違うのは確かです。そのため、価格差が出るかどうかを確かめるためにも、通常の業者と外車専門店の双方で、査定を受けてみましょう。
特定メーカー専門の買取店に売る
ベンツなど一部のメーカーについては、専門の買取店も存在します。自身が持っている車のメーカーで、こういった専門店が存在しているのであれば、その専門店でも査定を受けてみるといいでしょう。
特に「そのメーカーのファンだからわかる魅力をもつ車種」という場合は、メーカーに特化した専門店が、高い査定価格を提示してくれる可能性もあります。
外車ディーラーの下取りに出す
外車を売ったあと、新しい外車に乗り換える予定であれば、ディーラーの下取りに出すのもいいでしょう。基本的に、ディーラーの下取りは買取業者による買取よりも価格が安くなります。
そのため「高値で売りたい」という方にはオススメできません。しかし、「多少安くなってもいいので、乗り換えの手続きを楽にしたい」という方にはオススメです。
(ディーラーの下取りがどの程度安くなるのか、なぜ安くなるのかについては、下の記事で詳しく解説しています)

【メーカー別】人気30車種の外車買取相場
外車の買取価格について多くの方が知りたいのは、全体の傾向以上に「自分の車がいくらで売れるのか」でしょう。これを知る上で参考になるのが、中古車の販売価格です。
現時点で実際に売られている中古車の価格から、各車種におけるおおよその買取価格を推定できます。ここでは、ベンツ・BMW・フォルクスワーゲンの人気上位10車種をもとに、買取価格を計算していきます。
(中古車の買取価格は一般的に、販売価格の6~9割です。ここでもその数値を採用して計算しています。)
メルセデス・ベンツ
ベンツの人気ランキング上位10車種の販売価格は、下表のとおりです。

(価格情報は2020年12月時点のものです)
まずは安い方の金額から、6割査定だった場合と9割査定だった場合の金額をまとめると、下のとおりです。
一番安いAクラスの場合、4.2万円の買取価格になる可能性があります。逆に、一番高いGLCクラスは安くても191万円となっています。続いて、高い方の金額も見てみましょう。
9割査定が実現した場合、Gクラスは4,032万円、Sクラスは1,341万円という破格での買い取りを期待できます。これらは例外的なケースと考えられますが、価値のあるベンツの買取価格が非常に高いことを、あらためて実感できるデータです。
BMW
BMWの場合、人気ランキング上位10車種の販売価格は、下のようになっています。

(価格情報は2020年12月時点のものです)
まずは安い方の金額から、6割査定と9割査定での金額を一覧にすると下のとおりです。
3シリーズの場合、安ければ6,000円の買取価格になるケースもあるとわかります。逆に、X1は安くても29万円程度と、高額での買取を期待しやすい車種です。続いて、高い方の金額も同じように表でまとめると下の通りです。
1シリーズは、最高であれば1,430万円前後での買取も期待できます。X1は1,026万円、7シリーズは727万円と、それぞれ高い目安価格が出ています。
フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲンの人気ランキング上位10車種の販売価格は、下表のとおりです。

(価格情報は2020年12月時点のものです)
安い方の金額で、6割査定と9割査定を一覧にすると下のとおりです。
最も安いポロは4.2万円の買取価格になる可能性があります。逆に、T-Crossは安くても149万円と、相当な高額買取を期待できる車種です。下記は高い方の金額を表でまとめたものです。
ビートルは高ければ592万円、ゴルフ・ヴァリアントは484万円で買い取ってもらえる可能性があります。
まとめ
外車の買取価格は、国産車と比較して新車とのギャップが大きくなります。しかし、もともとの価格が国産車よりも高額であることが多く、下落してもなお十分な高値であることが多いものです。
そのため、売却を視野に入れているのであれば、おおよその相場だけでも調べてみるべきといえます。そして、外車の買取相場を調べる上でもっとも有効な方法は、国産車と同じく「一括査定を受けること」です。
どんなデータも「実際に自分の車で複数の査定を受けて出た価格」にはかないません。現実に買い取ってもらえる金額として、実車査定まで含めた一括査定で出た金額は、もっとも確かなデータです。
一括査定にはナビクルやユーカーパックなど、多くのサイトがあります。いずれも完全無料で利用でき、簡単な情報入力で複数社の査定を受けられます。外車を高く売る上でデメリットは何もないため、ぜひ気軽に査定を申し込んでみてください。
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