軽自動車を売るときは、どのオーナーでも「できるだけ高く売りたい」と考えるものです。高く売れる人とそうでない人の差が出る理由は「高値で売るためのポイントを知っているかどうか」にあります。
- どのタイミングで売ればいいのか
- どんな条件を満たせばいいのか
- どのように買取業者を探せばいいのか
高値で売るために必要な3つのポイントを中心に、軽自動車の売り方を解説していきます。
「軽自動車をできるだけ高く売りたい」と考えているオーナーは参考にしてください。
目次
軽自動車を高く売るためのコツ
軽自動車を高く売るためのコツを説明する前に、軽自動車の需要について理解していただく必要があります。
「一般社団法人日本自動車工業会」が2016年に発行した「軽自動車の使用実態調査報告書」を参照すると、軽自動車の使用用途は地域を問わず「買い物」「通勤」が8割を占めています。(図1)
図1
また、軽自動車の場合、5年以内での買い替える意向が少ないこと(図2)や、軽自動車以外の車への流出よりも軽自動車への流入のほうが多い(図3)ことも同報告書より確認できます。
図2
図3
以上のようなデータおよび推測にもとづくと、車の全体的な買い替え需要が高まる時期と軽自動車が高く売れる時期は一致すると考えられます。
何故かと言えば、
- 図1:軽自動車の購入にあたってはレジャーなどの特別な需要に左右されることは少ない
- 図2:長期的な使用が中心であり、買い替えるタイミングは寿命か故障であることが推測
- 図3:他の車種からのダウンサイジングの需要が高い
ことがみて取れます。
こうした根拠から、軽自動車は自動車の買い替えの需要が高い時期に売れば、高く売れる可能性が高まるといえるのです。上記を第1のコツとし、合計3つのポイントに分けて軽自動車を高く売るためのコツを解説します。
ポイント1:自動車の買い替えの需要が高い3月に売る
「一般社団法人日本自動車販売協会連合会」がまとめている、中古車月別登録台数の統計データによる2020年9月時点の数値(図4および図5)を確認すると、普通乗用車と小型乗用車の合計数だけに絞っても圧倒的に3月の登録台数が多いことをわかるでしょう。
中古車が多く出回る季節であることはデータが証明していますし、税金面でのメリットが大きく軽自動車へのダウンサイジングには最適の時期です。
図4
図5
2020年3月(図4)の数値は、一般的に決算前である程度需要が伸びる9月(図5)と比べても、明らかな差があります。2020年9月の普通乗用車と小型乗用車の合計登録台数が「288,853台」であるのに対して、2020年3月は「401,956台」と11万台以上多いというデータです。
全体的な傾向とも一致していて、5年のデータをチェックすると、3月以外の台数が22万台~26万台の範囲にとどまっているのに対し、3月は40万台を超えています。この数値は大体毎年共通しています。
つまり、3月は1年で最も市場が盛り上がる月であるといえるでしょう。市場が盛り上がるタイミングには業者も仕入れを強化しますから、買取価格をより高く見積もってくれる可能性が高まります。
3月中の軽自動車への買い替えは自動車税が安くなるので需要が高まる
3月に中古車市場が盛り上がるのにはもう1つ理由があります。「3月中に税負担が安くなる自動車への買い替え(ダウンサイジング)を行うことで自動車税が安くなる」というものです。
東京都主税局HP内「自動車税」のページを参照すると、下掲の図6のように、「所有者変更・転出・転入の場合、課税の取り扱いは年課税となる」旨が記載されています。
図6
年課税とは、その年度分を4月1日現在の所有者に全額課税する方式をいいます。
つまり、3月中により税負担の少ない自動車へ買い替えれば、自動車税が安くなるのです。
軽自動車が普通自動車に比べてどれだけ税金が安いかを見ていきましょう。
自動車税というのは普通自動車の場合では排気量に応じて納付額が変わります(図8)が、軽自動車の場合は一律の税額(10,800円)となっています。(図7)
図7
図8
また、「軽自動車の使用実態調査報告書」内の「軽自動車の選択理由」を参照しても(図9)、税金が安いからが79%と圧倒的に多くなっていますので、税金負担を下げる目的での軽自動車へのダウンサイジングが多いです。
図9
ポイント2:軽自動車の高額査定される条件を知る
軽自動車をより高く売るためには、中古車市場において高額査定される条件をできる限り満たす必要があります。高額査定される条件として中古車販売業者が挙げているのは、下記2点です。
- JAAIの掲げる標準状態に当てはまる状態であること
- より純正に近い状態であること
高額査定条件について詳しく見ていきましょう。
高額査定される条件1はJAAIの「標準状態」に当てはまる状態であること
日本の中古車販売業者がまず中古車査定のベースとするのは、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が規定している「標準状態」です。これが満たされているかどうかで、買取価格を左右する基本査定に大きな差がでます。
「標準状態」というのは、以下のような状態(図10)を言います。
図10
- 外装と内装は無傷である
- エンジンや足回りは走行に支障なく良好である
- 車検の残り月数は3ヶ月以内である
- 走行キロ数は標準である
- タイヤの残り溝は1.6mm(スリップサイン)以上ある
- 事故修復歴や改造工作がなく損傷減価要因(腐食・臭い)がない
自動車査定で高額査定を得るためには、標準状態を満たしたうえで、買取業者が「より販売価値が高い」と判断してくれる必要があります。そのため、標準状態を満たしているという条件だけでは、高く売ることは難しいでしょう。そこで、1つの条件を加味する必要が出てくるのです。
高額査定される条件2は「より純正に近い状態」であること
それでは、もう1つの条件を紐解いていきましょう。
買取業者の間では、標準装備品・オプション品は純正のほうがより有利に査定されるといわれています。
純正の装備品やオプション品は何よりも車種に絶対に適合するという安心感があります。そして、機能・デザインに違和感がない、統一感があるという利点もあり、買取業者としても売りやすい車として好感を持ってもらえる可能性が高いのです。
特にメーカー純正のオプションパーツは新車購入時のみしか取付できず、後付けできない場合が多いので、装備として付加価値・希少価値が上がる
という事実は覚えておくとよいでしょう。
ポイント3:一括査定で多くの業者から見積もりを取ろう
最後に紹介するポイントは、一括査定を利用することで多くの業者から見積もりを取ろう!というものです。
できる限り多くの業者から一括で査定を出してもらうことで、相対的に見てより高く売れる業者を探せる方法です。
一括査定をするうえでおすすめのサイトを3つほど紹介します。サービスの特徴と査定可能業者数を中心に概説していきますので、ぜひ参考にしてください。
カーセンサー
「カーセンサー」は株式会社リクルートホールディングスが運営する業界最大手の買取サイトで、提携業者数では日本No.1です。以前はかなり情報量の多いトップ画面でしたが、時流に合わせてか非常にすっきりとシンプルなデザインになった点も好感が持てます。
カーセンサーでは最大30社に査定依頼が可能です。また、カーセンサーの大きな特徴は依頼する買取店を事前に選ぶことが可能で、連絡希望時間帯も選べるので忙しい人でも都合のいい時間に連絡してもらえます。
グーネット買取
「グーネット買取」は中古車販売大手「グーネット中古車」が運営している一括査定サイトです。提携先は300社以上と充実しています。グーネット買取の特徴としては、申し込む前に車買取相場をまず検索できることです。
カーセンサーとの違いは、候補先となる複数の査定先企業を見つけ、その中から直接査定してもらう業者を選べるという点です。自分で判断して業者を絞り込めるため、玄人向けのサイトといえるでしょう。
ユーカーパック
ユーカーパックは、特に軽自動車の買取に力を入れている一括査定サイトです。ユーカーパックも買取相場を申し込み前に見ることである程度の査定額を想定できる仕組みになっています。人気車種を中心とした軽自動車の買取相場をわかりやすい画面で確認できる点は、非常にユーザビリティの高さを感じます。
そして、ユーカーパックの特筆すべき特徴は査定を出す店に個人情報を渡さず、車の情報だけを伝えて査定を出してもらえることです。何がよいかというと、一括査定の場合によくあるしつこい営業電話が一切かかってこないというところ。
他のサイトの場合、一括査定に出している事実や電話番号も含めて伝える仕組みになっているので、買取店も顧客の取り合いになり営業電話をせざるを得ない構造となっています。
電話番号を伝えておくのは、直接業者と交渉ができるメリットはあるのですが、逆をいえば交渉を進めていない買取店からも電話がかかってしまうことです。
まとめ
以上、軽自動車を高く売るためのコツを主に3つのポイントに絞って解説してまいりました。
特に、税金面での安さというアドバンテージのあるダウンサイジング対象車として選ばれやすい軽自動車ですから、この3つのポイントを意識するだけで相対的に査定額が大きく変わってくるはずです。
ちなみに、2つ目のポイントは純正の状態で長く乗っている人が最も強みにできるアピールポイントです。ぜひ買取の際は車の状態だけではなく、見た目にはわからないオプション品についても積極的に説明することを心がけてみましょう。
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