車を高く売るために、一括査定を検討している方も多いでしょう。その際「受けてトラブルになることはないのか」「何か注意点などはあるのか」という点も気になるかと思います。
車の一括査定の主な注意点は「多数の業者から買い取りの勧誘の電話が掛かってくる」「査定後に減額される」というものです。この2点についても、対処法を知っていれば問題はまったくありません。
参考:独立行政法人国民生活センター|増加する自動車の売却トラブル
この記事では上記2つの内容も含めて、車の一括査定を受ける際の注意点を解説します。車の一括査定の利用を考えている方には、きっと役立てていただけるでしょう。
車一括査定とは?
車の一括査定とは、複数の買取業者による査定をまとめて受けられるサービスです。車の情報を1回入力して送信するだけで、複数の業者から簡易査定の価格が届きます。
価格が高かった業者から出張査定を受けて、さらに正確な査定価格で業者を絞り込める仕組みです。ほとんどの一括査定サイトでは、出張査定の段階まで無料で利用できます。
一括査定サイト「ユーカーパック」ではオークション形式で、自動的に「一番高い査定価格の業者」がわかります。ユーカーパック以外でも、サイトごとにそれぞれの特徴があるため、複数のサイトを同時に使いましょう。
車一括査定のメリット
車の一括査定には多くのメリットがあります。ここでは、それらのなかでも主な3つのメリットについて説明します。
一度の手続きで複数の業者に見積もりを出してもらえる
一括査定では、一度手続きするだけで複数の業者から見積もりがとれます。手続きの内容も、最短60秒などの短時間で入力できる簡単なものです。
見積もりをとれる業者の数は、一括査定のサービスごとに下のようになっています。
価格.com | 最大30社 |
カーセンサー | 最大30社 |
ズバット | 最大10社 |
ナビクル | 最大10社 |
MOTA車買取 | 最大10社 |
最も査定額が高い業者を選んで売れる
一括査定では、複数の業者による査定額を比較し、もっとも高く査定してくれた業者を選んで車を売れます。
業者の間で競争原理がはたらくため、査定額も高くなります。
仮に全社の査定額を見て納得できなかった場合は、他の一括査定サイトを使うことで、さらによい業者を探すことが可能です。車を売ることを急いでない場合は、複数の一括査定サイトを使うのもいいでしょう。
買取相場を把握でき、適正な価格で売れる
車の買取相場は、実際に業者の査定を受けてはじめてわかるものです。車の状態によって適正価格は変わるため、正しい相場を知るためには「自分の車で査定を受ける」必要があります。逆にいえば、正しい相場を知りたければ「一括査定を受ければわかる」わけです。
たとえば「車を売るかどうか迷っている」という段階では、「先に相場を知りたい」ことも多いでしょう。
その相場を調べるためにも、一括査定は最適なサービスです。
さらに「グーネット買取」や「ユーカーパック」などのサイトは、申し込んだ時点で買取価格の相場がすぐに出ます。これらは、業者による見積もりではなく、システムが自動的に算出したものです。
そのため、業者による見積もりほど正確ではないものの、相場の目安にはなるでしょう。
一括査定を使用する際の注意点と対処法
一括査定の注意点は、以下のとおりです。
- 電話やメールが大量に来ることがある
- 契約後に査定額を減額されることがある
- 査定サイトに登録してある会社のみしか査定ができない
使用する上で行うべき対処法は以下のとおりです。
- 一括査定サイトや買取業者が認定団体へ所属しているか確認する
- 一括査定サイトの機能をフル活用してトラブルを防ぐ
それぞれ具体的に解説します。
電話やメールが大量に来ることがある
一括査定では、想定していたよりも多くの電話やメールを、業者からもらうことがあります。メールについては無視するだけで対処できますが、電話が多く掛かってくると困るという方も多いでしょう。
電話については、1回出て「再度の電話は不要」だとはっきり伝えれば問題はありません。はっきり断るのが難しければ、一括査定サイトのキャンセル機能を使いましょう。キャンセル機能を使えば、その後に業者から連絡がくることはありません。
キャンセル機能の使い方ですが「かんたん車査定ガイド」や「ナビクル」などは、サイト上の問い合わせフォームから手続きを行えます。「カーセンサー」などは、個別の業者にそれぞれ連絡する必要があります。
契約後に査定額を減額されることがある
正式に契約を交わした後で、査定額を減額されるケースもあります。「車を引き取ってから新たに故障箇所が見つかった」などの理由による減額です。
こうした減額をされるケースでは、契約書に「後で故障箇所が見つかったら査定額を見直す」という内容が多いです。一見従う必要がありますが、こうしたケースでは契約自体を無効にできます。
無効にできる理由は「消費者契約法の第10条」があるためです。この第10条では、上記のような「消費者にとって一方的にマイナスになる契約」を無効にできることが書かれています。
出典:消費者庁HPより「消費者契約法第10条」
上記のルールがあるため、後から減額されたら契約を無効にしましょう。「当初の金額で買ってもらう」ことはできませんが、安く売る必要はありません。
サイトや買取業者が認定団体へ所属しているか確認する
認定団体とは、業者を監理・監督する組織です。JPUC(日本自動車購入協会)や、JADRI(一般社団法人日本自動車流通研究所)などがあります。
どちらの団体も、厳しい審査基準をクリアした業者でなければ加盟できません。そのため、こうした団体の加盟業者であれば信頼性が高く、適正価格での買い取りに期待ができます。
一括査定サイトの機能をフル活用してトラブルを防ぐ
一括査定には、業者からの連絡の量を調整きる機能があります。たとえばカーセンサーでは、下の画面でその調整が可能です。
上のフォームの「連絡希望時間帯」の欄で、業者からの連絡について希望を出せます。たとえば、「電話不可」「メールでの連絡希望」といった内容です。
一括査定サイトで車を売却する流れ
一括査定サイトを利用して車を売る流れはシンプルです。ここでは、その流れを解説していきます。
STEP1:申し込み(情報をフォームに入力)
まず、フォームに下のような情報を入力します。
- メーカー
- 車種
- グレード
- 年式
- 走行距離
- 事故歴
- 車検の残存期間の有無
その他は、自分の連絡先など簡単な個人情報を入力します。入力は選択式でできるサイトが多いため、手間はほとんどかかりません。
車種や年式は、車検証で登録年と型式を確認をすればわかります。グレードについては、車検証の車体番号を見て、メーカーのサイトで検索するとわかります。
STEP2:業者から連絡がくる(出張査定の段取りを決める)
申し込み後は、業者からメールか電話での連絡がきます。ここで示されるのはおおよその査定額のみです。
一括査定の時点では、年式などの基本的なデータしかありません。こうした基本的なデータで行う査定を机上査定といいます。
正確な査定をするには、実際に車を確認する出張査定が必要です。この日時を、業者とのやり取りで確定します。
STEP3:出張査定を行い査定額が確定する
決まった日時で出張査定を受けると、査定額が確定します。複数の業者からこの出張査定を受け、査定額が一番高かったところに売却しましょう。
出張査定までは、ほとんどの業者が無料で対応しています。最終的にその業者に売却しなくても、キャンセル料などは発生しません。
STEP4:売却契約を結ぶ
買取業者が決まったら、正式な契約を結びます。この際、買取売買契約書という書類を交わします。
この書類は、中古車も含めて古物取引の際に交わすものです。特に確認するべき内容は買取条件に関わる項目です。
- 車や書類の引き渡しのタイミング
- 買取の内訳
- 作業の工賃
上記の内容について、不明な点がないかをよく確認しましょう。最終的に「自分の手元にいくらの金額が残るのか」も明確にしてから、サインをします。
STEP5:書類準備と諸手続き
契約が成立した後も、いくつかの書類が必要です。必要な書類は、地域や車の状態によって異なるものです。
このため、どのような書類が何通必要か、提出時期をあわせて確認しながら手続きを進めましょう。
STEP6:車の引き渡しと入金確認
すべての手続きが完了したら、車の引き渡しと入金確認を行います。契約してから車の引き渡しまでにかかる期間は、業者によってそれぞれです。
入金のタイミングは、ほとんどの業者が引き渡し後となっています。入金までにかかる日数も業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
まとめ
まとめると、車の一括査定で重要な注意点は下の2点です。
- 電話やメールが大量に来ないようにする
- 契約後に査定額が減額されたら契約を無効にする
上記の内容を理解していれば、一括査定の利用でデメリットやリスクはありません。車を高く売る上でメリットしかないといえます。
一括査定サイトには「価格.com」や「ナビクル」など多数のサイトがあります。いずれも完全無料で、簡単な情報入力によって利用できるため、車を高く売りたい方は、ぜひ利用してください。
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